エイジの船出

特撮(主に円谷)作品や映画の感想を垂れ流していこうかなと。

ウルトラマンタイガ第1話 感想 『令和の特撮 CGと実写のバティゴー』

f:id:proteinv2:20190707020817p:image

f:id:proteinv2:20190707021239p:image

こんにちは、エイジです。

 

ウルトラマンタイガ第1話、いよいよ放送されましたね。

 久しぶりのM78星雲出身のウルトラマン、それもタロウの息子。その他U-40、そしてO-50出身のウルトラマンが登場と、要素がてんこ盛りでかなり界隈を湧かせていました。僕もその湧き上がっていたファンの1人ですが。

てなわけでウルトラマンタイガ第1話感想、行っちゃいましょう。

 

f:id:proteinv2:20190707020823p:image

今作を見てまず感じてこととして、国内特撮で新境地を切り開くのはやはりウルトラシリーズだなと。こういう言い方をすると誤解を招きそうなので補足すると、「映像面」において新境地を切り開くのはやはりウルトラシリーズだなと、今回タイガを観てそう感じた。ここ数年ウルトラシリーズにおいてCGを使用することの是非についてかなり不毛な論争が勃発していたが、それに一石、いや大石を投じるかの如くフルCGのウルトラマン、’’ウルトラマングルーブ’’が爆誕したのはこれを読んでいる方の多くはご存じだろう。いやぁ、あれは凄まじかった、マジで。なんといっても従来の着ぐるみとフルCGのキャラクターが共存している、今まででは考えられなかった。やろうとしても質感云々の問題からどうしても違和感の方が先行していた。そして何より古くからのファンや着ぐるみが大好きな方たちからの批判が足を引っ張っていたような感じもある。もちろんそれらを否定するつもりなんて微塵もないし、私も着ぐるみが醸し出す独特の質感や皺が大好物だ。しかしそれらがCGの使用を足止めしていた。しかし円谷プロはそこで歩みを止めたりはしなかった。多くの批判が予想される中でグルーブを生み出した、僕はこの事実が何より嬉しかった。話がタイガから逸れ始めたのでグルーブの話はこの辺で止めておくが、そのグルーブが切り拓いた新たな道を新作にして令和初のウルトラマン’’タイガ’’が突き進み始めた。そんなことを感じさせてくれる第1話だった。

 

 

全体の構成としては、今後展開されるであろう物語の要素を少しずつかいつまんでいる印象だった。なぜタイガがヒロユキを選んだのか、ニュージェネレーションヒーローズとトライスクワッドの出会い等は追々といったところか。ただ、個人的にビビッときたというか、印象に残った点としてトレギアとタロウのやり取り、工藤ヒロユキこと井上祐貴さんの熱演だ。前者はどうやら親友同士だったようで、そんな中でのやり取りでトレギアが「光が正義だと誰が決めた」と言い放ったシーンがあった。僕が気になったのはそこでトレギアが珍しく声を荒げていたところだ。狡賢く時には高貴な物言いで対象を言いくるめる印象があったトレギアだが、タロウと一連のやり取りでちょっと取り乱していたというか、明らかに声を荒げていた。この辺はただの悪役ではないということの表れだろうか。劇場版ウルトラマンルーブのパンフレットにて、「トレギアは今後のべリアル枠としていく」との記述があったが、べリアルとはまた違った闇のアプローチを今後していくのだろう、今後に注目だ。

 

f:id:proteinv2:20190707020904p:image

そして井上祐貴さんの熱演、ここが私にとってちょっとしたサプライズだった。予告の時点ではちょっと演技に不安を抱いていたが、熱く思いをぶつけるシーンの熱量がすごい。まだ役者を始めて2年目だそうで、これからどんどん頑張ってスターになって欲しい限りである。また応援する対象が増えた。よき。

 

そしてやっぱり今回の戦闘シーン、もう本当に感涙ものである。完全に期待値を超えてきている。特撮におけるCG云々問題については前述の通りだが、今作はグルーブに続きCGと伝統特撮の完全融合だった。ここで言う完全融合とは、ただ単に両方を使うのではなく、互いを共存させることを指す。それぞれの良さと使いどころをしっかりと把握し、それが光るシーンでしっかり使っていく。宇宙空間での戦闘ではCGを用いて画面いっぱいに動き回り、伝統のミニチュア爆破はしっかり実写で魅せ、大爆発や足が地面にめり込むカットやビルの谷間から覗くカット、これらもしっかり実写で表現されていた。CGだと着ぐるみではできないアクロバティックな動きや、空中戦をしっかりと表現でき、実写ミニチュアはそれでこそ発揮される質感や創意工夫を楽しめる。それぞれの表現を逃げずに挑戦し続け、ノウハウを蓄積してきた円谷プロだからこそできる映像表現だ。

 

f:id:proteinv2:20190707020928p:image

f:id:proteinv2:20190707021052p:image

f:id:proteinv2:20190707021059p:image

f:id:proteinv2:20190707021104p:image

f:id:proteinv2:20190707021133p:image

f:id:proteinv2:20190707021413p:image

 

OP映像の空から降ってくるタイガ、そしてぐんぐんカットとその後のシーン、これなんてもうグルーブで行った路線そのものではないか。素晴らし過ぎる。特にぐんぐんカットと着地が1カットで今後表現できるようになったのは本当に革命ではないのかと個人的に思っている。

 

f:id:proteinv2:20190707021541j:image

昭和のウルトラシリーズ、そして平成三部作などにおけるぐんぐんカットの表現は、いわゆるパース人形を用いて撮影されたものだ。これだと迫力はピカイチだがウルトラマンの動きが固定されるため、着地をカットで分けることを強いられる。そしてニュージェネウルトラマンにおけるぐんぐんカットはスーツでの撮影のため、どうにか1カットで表現はできるもののパース人形程の迫力は表現できない。それぞれ一長一短あったわけだ。しかしグルーブ、そしてタイガのフルCGバンクではその両立が可能なわけである。ここにきてさらに可能性を広げてきたのだ。最後まで諦めず不可能を可能にする、それがウルトラマン、あなた方は本当にウルトラマンなのだなと、勝手に感動している。

 

f:id:proteinv2:20190707021211p:image

総評としてウルトラマンタイガ、本当に面白かった。第一話のため、ストーリー上細かな説明不足感は問題ないし、何よりCGと実写のバディっぷりが凄まじかった。そして来週はトレギアの再登場&初変身やヒロユキの過去に触れるお話。何やらまた一波乱ありそうで楽しみな限りだ。

 

という訳で最後までお付き合いいただきありがとうございました。

来週は第2話「トレギア」、さぁ、来週もみんなで観よう!